エンデュアランス号漂流記　
海は誰にも
慈悲をかけない。
氷海に孤立無援となった探検隊を率いて、奇跡の生還を果たした比類なき冒険の記録

アーネスト・シャクルトン著　木村義昌/谷口善也　訳 中公文庫　204ページ　781円　2003/6/25 初版発行 待望の書だ。 南極大陸横断を初めて試みたシャクルトン隊長、自らの書 1970年の文芸春秋から、出版されていた「エンデュアランス号漂流」は、絶版になっていたが、これを底本として出版。今回、文庫化にあたり、写真図版を入れ替えたという。 　ほとんどの写真は、「エンデュアランス号漂流」や「エンデュアランス号」、「」で見ているが初めて見るものも何枚かある。 隊長が書かれた本のためか、日記風（記録簿）に書かれている。詳しいデータが多い。隊員の名前が、どんどん出してくるので、初めて読むには、分かりずらい。（探険隊（28名）の担当範囲や人柄、癖などの紹介もないので） 初めに読むなら、「エンデュアランス号漂流」が良いだろう。きれいな写真を見るなら、「エンデュアランス号」が良い。 　これらを読んでから、お勧めする本だ。文庫本なので、ポケットに入れられる。 前の二つの本では、紙面の関係で、あまり触れられていなかった、エレファント島に残って救助を待つ人たち（22名）の生活や、サウスジョージア島からの救出作業が詳しく書かれている。 最初。救助を求めにサウスジョージア島へ向かったのは、シャクルトンを入れて6名。 　救助は何度も失敗し、四回でようやく救出する。航路や救助の航路や日付を地図で表している。 最後のページ、訳者、谷口善也さん（1913年生まれ）「文庫版へのあとがき」のところに 　昨年（2002年9月）、イギリスのオークションで、シャクルトンが、1914年イギリスを経つ時に、アレクサンドラ女王から南極点に樹てるようにと手渡されたイギリス国旗がオークションにかけられ、個人によって11万数千ポンドで、落札されたと言うニュースがあった。と書いている。 （ひとりごと）　11万数千ポンドは約2000万円ですね。本物かな？シャクルトンは、必要の無いものはすべて捨てた。聖書は必要な数ページだけ切り裂いた。エレファント島、サウスジョージア島にも、着いた時には殆ど何も無かったと書いている。 一昨年頃から、シャクルトンブームになったから、．．．ではないかな？　オークションにかけられるなら、もっと前にかけられていたはずだし、20000万円は安すぎるのでは、とGUESSしていますが、 ［その他参考］ 　　　　南極からのメッセージ　ＮＨＫ出版 　　　　南極越冬記　西堀栄三郎著