1957年のソ連、人類初の人工衛星スプートニクから、現在の宇宙開発、将来の惑星間飛行、宇宙観光計画までわかる最新の書。
2002/12現在の最新情報が入っている。

　著者は、宇宙開発事業団（ＮＡＳＤＡ）の初期からロケット開発に携わっておられる柴藤さん。書名の図解雑学の雑学が気になるが、とんでもない。これは、立派な科学図鑑です。索引もしっかり付いています。
一つのテーマが、左右に説明と図解が詳しい。どこから拾い読みしても良い。
約100のテーマ。子供にもお勧めの本だ。

宇宙ゴミ対策　宇宙ゴミの衝突対策

　宇宙ゴミは、直径10ｃｍの宇宙ゴミを世界各地のレーダで追跡しており（データベース化）、現在では、直径1ｃｍ程度まで識別できるという。宇宙ゴミとは人為的に宇宙に放棄されたもので、隕石などは含まない。1996年の調べでは7928個。ほとんどがロシアとアメリカ。（うちロシア3825個、アメリカ3468個、日本112個、中国108個など。人工衛星が打ち上げられる1957年以前は当然無い。宇宙ステーションの宇宙ゴミ対策は図のように、二枚構造に作ってあり、内部に多層断熱材を挟んでだ、僅か1１ミリ程度の厚さになっている。外側のシールドに秒速１０数Ｋｍで衝突すると、瞬時に穴が空き、物体は気化して、エネルギー落ちて、緩衝材で吸収してしまう。　これは、考案したホイップル博士の名を取って、ホイップル・バンパーという。

スペースシャトルのシステム

次世代のスペースシャトル
　スペースシャトルの一号機、コロンビア号（1981年4月）は、開発されてから22年経っており、2010年頃を目標に、次期スペースシャトルの開発を進めていたが、今回の事故で、若干見直しされるだろう。スペースシャトルは、宇宙飛行士とＩＳＳの部品や実験器具などを一緒に打ち上げるため、大型になり、高度な精度を要求される。アポロ打ち上げ時のサターンロケットのように単純な円筒形使い捨てロケットではなく、非対称な形状となっているため、システムは複雑だ。スペースシャトルは、外部燃料タンクにくっ付いており、発射時、外部燃料タンクから剥がれ落ちる氷のかけらは、スペースシャトルとの隙間の空気の流れよって吸い付けられる危険性は高い。
また、アポロ宇宙船は、打ち上げ時に問題が起きた場合には、先端の指令船の部分が脱出用ロケットによって切り離され、脱出する事が容易だったが、スペースシャトルでは、非常に難しい。

宇宙旅行の値段
　2002年4月、アメリカの実業家、デニー・チトー氏は、ロシアに約24億円を支払って、国際宇宙ステーションに８日間滞在した。本来は、ロシアのミールに搭乗とのことで、旅費を支払ったが、ミールが廃棄されてしまったので、ＩＳＳの搭乗させることになったもの。50年後位に、水平に離着陸できるスペースプレーンが完成すれば、安全率も高まり、トン当たり2600万円位になると見積もられている。